2020年6月、新しいプロダクトを開発するために、1つのスクラムチームが生まれました。
このスクラムチームは、PO・SM・Devの3人からなる小さいチームです。
そのうち2人はアジャイル・スクラムの未経験者でした。
最初はプロダクトの掛け持ちにより、全員が1週間のうち2日しかプロダクトの活動が出来ない
という状態からこのチームははじまりました。
このチームの周辺では、掛け持ちが当たり前の世界観であり、どのチームも成長・変化はゆるやかなものでした。
きっと、他のチームと同様、このチームも成長していくには、時間がかかると思われていました。
このチームがはじめにやったことは、アジャイル・スクラムの世界を広げることでした。
経験者に連れられて、コミュニティに参加して、様々な本を読んで、チームで語り合って。
プロダクト開発に必要な業務の傍らで、自分たちの世界を広げよう、と手を伸ばし続けてきました。
そして、チームに転機が訪れます。
それが、「Scrum Fest Osaka 2020」です。
チーム全員で、このフェスへ参加したことがきっかけで、私たちの変化のスピードにブーストがかかりました。
永瀬美穂さんのキーノート、「今あえてのスクラム」。
kyon_mmさんと及部さんのキーノート、「Agile Wars − アジャイルチームの夜明け −」。
これらのセッションに参加したり、登壇者・参加者たちの話を聞いたり、ワークに参加したり、参加者同士で語り合ったり。
セッションの合間では、チームで「明日からこうしたいよね」「これは試したい」など感想戦を行っていました。
きっと、一人でフェスに参加するだけでは、
「こうしたいなぁ」
「でも難しいだろうなぁ」
という願望で終わってしまっていたでしょう。
熱量を心に秘めたまま、発露できずに終わっていたでしょう。
でも、チーム全員で参加することで、フェスで得た熱い想いが霧散することなく、
「こうしよう」
「やってみよう」
という実験をする勇気が湧いてきました。
そして、フェスの夜が明けて。
次のスプリントから、私たちの壮大な実験が始まりました。
手始めに行ったのは、フラクタルスプリント。
1週間だったスプリントを3時間単位に区切り、3時間ごとにインクリメントを作り上げるようにしました。
そして、モブプログラミング。
モブ・ペアでのワークをチームの文化として積極的に取り入れ、
チームが「チームである」ということをより実感できる動き方を実現しようとしてきました。
フラクタルスプリントを取り込んでからは、変化のスピードが劇的に加速していきました。
・1hスプリント
・マーケティングスプリント
・新規メンバーの追加による体制の大幅見直し
・ふりかえりアート
・一貫したフルリモート・フルモブワーク
そしてScrum Fest Mikawa。
今まで、コミュニティに参加したこともなかった、登壇もしたこともなかった、
ブログなどへのアウトプットもしたことがなかった。
そんなチームメンバーが、どのような実験を繰り返してきたのか、を皆さんにお見せしました。
このチームはどこまでいけるのか?
・2day Sprint
・3h Sprint
・1h Sprint
自分たちなりのカイゼンを加えていった結果、
2021年1月にはどんな姿になっているのか?
今は想像がつきません。
ただ1つ断言できるのは、もっと素晴らしいプラクティスを生み出し、高い価値を生み出すチームになっていることです。
RSGT2021では、
さらに大きく変化した私たちの姿と、
それまでたどってきた変化の軌跡(奇跡)
を見せることができるでしょう。
そうすることで、私たちがそうだったように、
次の新しいチームへ、この勇気のバトンを渡せると信じています。